「“言った言わない”で損しない!年収100万円アップを叶える『先程お電話でお話しした通り』最強ビジネスメール術」

「先程お電話でお話しした通り」の正しい使い方|ビジネスメールのプロが徹底解説

「先程お電話でお話しした通り、資料をお送りします」。ビジネスシーンにおいて、この一文は単なる前置き以上の、極めて重要な役割を担っています。電話という、その場限りで記録に残らないコミュニケーションの後に、双方の認識を一致させ、後の「言った、言わない」という致命的なトラブルを防ぐための、いわば防波堤となる言葉です。このフレーズを正しく、かつ効果的に使いこなすことは、あなたの仕事の正確性と信頼性を飛躍的に高めます。しかし、その使い方を誤れば、相手に誤解を与えたり、失礼な印象を与えてしまったりする危険性も潜んでいます。このセクションでは、「先程お電話でお話しした通り」という言葉の持つ本質的な意味から、ビジネスメールにおける具体的な活用法、敬語としての注意点、そして類似表現との微妙な違いまで、あらゆる角度から深く掘り下げて解説していきます。

なぜビジネスで「言った言わない」を防ぐことが重要なのか?

ビジネスにおけるコミュニケーションの齟齬は、時に大きな金銭的損失や、取り返しのつかない信用の失墜に繋がります。特に、口頭でのやり取りは便利でスピーディーな反面、記憶の曖昧さや解釈の違いによって、後から「私はこう言ったはずだ」「いや、私はこう聞いた」という水掛け論、いわゆる「言った言わない」問題に発展しやすいという大きなリスクを抱えています。

この問題を防ぐことがビジネスで極めて重要な理由は、主に三つあります。第一に、業務の正確性と効率性の担保です。例えば、電話で「Aという仕様でお願いします」と依頼したつもりが、相手が「Bという仕様」と聞き間違えて作業を進めてしまえば、完成したものは全く役に立たない無駄な成果物となり、時間もコストもすべて水の泡となります。後から修正するとなれば、さらに余計なリソースを割かなければなりません。このような無駄をなくし、全員が同じゴールに向かって正確に業務を遂行するために、認識のすり合わせは不可欠です。

第二に、信頼関係の維持・構築です。「言った言わない」のトラブルは、当事者間に「この人は話が通じない」「無責任だ」といった不信感を生み出します。一度生まれた不信感は、その後の円滑なコミュニケーションを阻害し、良好な取引関係や協力体制を破壊する原因となります。逆に、口頭での約束を必ず文書で確認する姿勢は、「この人は細部まで配慮ができる、信頼できるパートナーだ」という安心感と評価に繋がります。

第三に、証拠(エビデンス)としての役割です。万が一、トラブルが訴訟などの法的な問題に発展した場合、口約束は証拠としての効力が非常に弱いものです。しかし、電話の後に送られたメールに「先程お電話でお話しした通り、〇〇という条件で合意いたしました」と記載があり、相手がそれに返信していれば、それは双方の合意があったことを示す強力な証拠となり得ます。「先程お電話でお話しした通り」という一文は、こうした未来のリスクから自分自身と会社を守るための、重要なリスク管理の一環でもあるのです。

このフレーズが持つ「確認」と「記録」の役割

「先程お電話でお話しした通り」というフレーズは、ビジネスコミュニケーションにおいて二つの重要な役割を同時に果たしています。それが「確認」「記録」です。

まず「確認」の役割についてです。これは、電話で話した内容について、「私の理解は、あなたの認識と合っていますよね?」と、相手に対して最終的な念押しをする行為です。人間は誰しも、聞き間違いや思い込みをする可能性があります。電話を切った直後にメールで内容を要約して送ることで、もし相手の認識とズレがあった場合に、早期にそれを発見し、修正する機会を得ることができます。これは、単なる自分の記憶の確認ではなく、相手との「共通認識」を形成するための、積極的で協調的なコミュニケーションと言えます。この一手間をかけることで、後の手戻りやトラブルを劇的に減らすことができるのです。

次に「記録」の役割です。これは、揮発性が高く、形に残らない「音声」という情報を、半永久的に保存可能な「テキスト」という情報に変換し、証拠として残す行為を指します。メールサーバーやチャットツール上にこの記録が残ることで、後からいつでも「あの時、何について話したか」を正確に振り返ることが可能になります。これは、自分や相手が内容を忘れてしまった時のための備忘録として機能するだけでなく、担当者の異動や退職があった際に、後任者が過去の経緯を正確に把握するための、極めて重要な業務引き継ぎ資料ともなり得ます。口頭でのやり取りをテキスト化して記録する習慣は、個人のスキルを超え、組織全体の情報資産を管理し、業務の継続性を担保する上で不可欠なプロセスなのです。

「先ほどは」と「先程は」の正しい使い分け

ビジネス文書やメールを作成する際、「さきほど」という言葉を使う場面で、「先ほど」と漢字で書くべきか、「さきほど」とひらがなで書くべきか、迷った経験はないでしょうか。あるいは、「先程」という表記を目にすることもあるでしょう。これらの表記には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、現代の日本語の公用文に関する基準では、「さきほど」はひらがなで表記するのが一般的とされています。文化庁が示す「公用文における漢字使用等について」では、常用漢字表にない音訓や、常用漢字であっても特定の意味で使われる場合にひらがな表記が推奨される語(これを「付表」と呼びます)が挙げられていますが、「さきほど」もその一つです。そのため、公的な文書や、読みやすさを重視する一般的なビジネスメールでは、「さきほど」とひらがなで書くのが最も無難で、推奨される表記と言えます。

一方で、「先程」という漢字表記も、決して間違いではありません。これは、やや硬い、改まった印象を与える表記です。法律関係の文書や、非常にフォーマルな謝罪文、伝統を重んじる企業間のやり取りなど、格式を重んじる文脈で使われることがあります。ただし、常用漢字表には「程」の字に「ほど」という訓読みは含まれていますが、「さきほど」という特定の読み方として定着しているわけではないため、やや古風な、あるいは漢語的な響きを持つ表現と捉えられます。

では、「先ほど」という「先」だけを漢字にする表記はどうでしょうか。これは、「先」と「程」のどちらも常用漢字であるため、使われることがありますが、一般的には「さきほど」か「先程」のどちらかに統一するのが望ましいでしょう。「先ほど」は、やや中途半端な印象を与えかねません。

結論として、迷った場合は、最も一般的で読みやすい「さきほど」とひらがなで書くのが良いでしょう。本記事のキーワードである「先程お電話でお話しした通り」という表現は、慣例的に漢字で「先程」と使われることも多いため、本記事ではキーワードに合わせて「先程」という表記を用いていますが、実際のビジネスシーンでは、「さきほどお電話で…」とひらがなで書く方が、より柔らかく、現代的な印象を与えることを覚えておくと良いでしょう。

【状況別】「先程お電話でお話しした通り」のビジネス文例30選

「先程お電話でお話しした通り」というフレーズは、その後に続く内容によって、その真価が発揮されます。まさに、様々なビジネスシーンに対応できる万能の切り出し文句と言えるでしょう。ここでは、具体的な状況を想定し、コピーしてすぐに使える実践的な文例を30個、豊富にご紹介します。これらの文例を参考に、あなたのビジネスコミュニケーションを、より正確で、より丁寧なものへと進化させてください。

資料送付や情報提供を行う際の文例

電話で口頭で説明した内容を補足する資料や、依頼された情報を送る際に最も一般的に使われるパターンです。

文例1:「先程お電話でお話しした通り、〇〇サービスのパンフレットを添付ファイルにてお送りいたします。」
文例2:「先程お電話でお話しした通り、お問い合わせいただいた件のURLはこちらになります。」
文例3:先程お電話でお話しした通り、次回の会議の日程候補を下記に記載いたしました。ご都合の良い時間帯をお知らせいただけますと幸いです。」
文例4:「先程お電話でお話しした通り、弊社の会社概要と、担当の鈴木 一朗さんの連絡先をお送りします。」
文例5:「先程お電話でお話しした通り、本日ご説明した内容をまとめた議事録のドラフトを作成しましたので、ご確認をお願いいたします。」

見積書や請求書を送付する際の文例

金額という非常に重要な情報を、口頭の約束だけでなく、書面で正確に伝えるために不可欠な使い方です。

文例6:「先程お電話でお話しした通り、〇〇プロジェクトの御見積書を作成いたしましたので、ご査収ください。」
文例7:先程お電話でお話しした通り、値引き後の金額を反映させた請求書を再発行いたしました。
文例8:「先程お電話でお話しした通り、オプションAとBを追加した場合の、二つのパターンの御見積書をお送りします。」
文例9:「先程お電話でお話しした通り、概算でのお見積もりとなりますが、添付の内容で一度ご確認いただけますでしょうか。」
文例10:「先程お電話でお話しした通り、本日ご入金を確認いたしました。念のため、入金確認書をお送りいたします。」

注文内容や依頼事項を確認する際の文例

受けた注文や依頼に間違いがないか、発注者側に最終確認を促すことで、手配ミスを防ぎます。

文例11:「先程お電話でお話しした通り、以下の内容でご注文を承りました。お間違いがないか、ご確認をお願いいたします。」
文例12:「先程お電話でお話しした通り、A製品を3点、B製品を5点、明日の午前中着で手配を進めさせていただきます。」
文例13:先程お電話でお話しした通り、本日の17時までに〇〇のデータを修正し、再提出いたします。
文例14:「先程お電話でお話しした通り、〇〇様をご紹介いただけるとのこと、誠にありがとうございます。ご連絡を心よりお待ちしております。」
文例15:「先程お電話でお話しした通り、本件の担当を、私、佐藤から後任の鈴木に引き継がせていただきます。」

アポイントメントや日程調整の確認メールでの文例

口頭で決めた約束の日時や場所をテキストで残すことで、双方の勘違いや失念を防ぎます。

文例16:「先程お電話でお話しした通り、来週火曜日(8月8日)の14時に、貴社へお伺いいたします。」
文例17:「先程お電話でお話しした通り、Web会議のURLを発行いたしましたので、お時間になりましたらアクセスしてください。」
文例18:先程お電話でお話しした通り、明日の訪問は、私、佐藤と、技術担当の鈴木の2名でお伺いする予定です。
文例19:「先程お電話でお話しした通り、残念ながら今回は日程の都合がつかず、またの機会にご一緒させていただけますと幸いです。」
文例20:「先程お電話でお話しした通り、〇〇様のご都合を優先し、会議の日程を来週に延期することに決定いたしました。」

謝罪やトラブル報告のメールでの文例

電話で一次謝罪をした後、改めて書面で謝罪の意と、決定した対応策を伝える際に使います。

文例21:「先程お電話でお話しした通り、この度の弊社の不手際につきまして、改めて深くお詫び申し上げます。」
文例22:「先程お電話でお話しした通り、本日中に代替品を発送し、明日午前中にはお届けできる見込みです。」
文例23:先程お電話でお話しした通り、ご迷惑をおかけしたお詫びとしまして、今回の請求額から10%を値引きさせていただきます。
文例24:「先程お電話でお話しした通り、システムの復旧には、あと2時間ほどお時間を要する見込みです。進捗があり次第、再度ご報告いたします。」
文例25:「先程お電話でお話しした通り、本件の責任者である私、部長の鈴木が、明日改めてご挨拶とお詫びにお伺いしたく存じます。」

上司や同僚への報告・連絡・相談(報連相)での文例

社内コミュニケーションにおいても、口頭での指示や報告をテキストで補完することは、業務の正確性を高める上で非常に有効です。

文例26:「部長、先程お電話でお話しした通り、A社様より、正式に発注の内示をいただきました。」
文例27:「〇〇さん、お疲れ様です。先程お電話でお話しした通り、B案件の件で至急相談したいので、15分ほどお時間いただけますか?」
文例28:課長、先程お電話でお話しした通り、体調不良のため、本日は午後から半休をいただきたく、ご承認のほどよろしくお願いいたします。
文例29:「(チャットで)先程お電話でお話しした通り、クライアントの要望で仕様が変更になったので、共有フォルダの最新版を確認してください。」
文例30:「皆様、先程〇〇部長とお電話でお話しした通り、明日の全体会議は急遽中止となりましたので、ご周知のほどお願いいたします。」

「先程お電話で」は敬語として正しい?目上の人への使い方

「先程お電話でお話しした通り」というフレーズは、ビジネスシーンで頻繁に使われる便利な言葉ですが、特に目上の人や重要な取引先に対して使う際には、「この表現は敬語として本当に正しいのだろうか」「失礼にあたらないだろうか」と不安に思う方もいるかもしれません。言葉遣い一つで相手に与える印象が大きく変わるからこそ、その正確なニュアンスと敬意の度合いを理解しておくことは非常に重要です。このセクションでは、このフレーズの敬語としての正当性と、目上の人に対してより丁寧に、かつ好印象を与えるための具体的なテクニックを解説します。

「お話しした通り」は尊敬語?謙譲語?

まず、このフレーズの中核をなす「お話しした」という部分の敬語の種類について考えてみましょう。敬語には大きく分けて、相手を高める「尊敬語」、自分をへりくだる「謙譲語」、そして聞き手に対して丁寧に述べる「丁寧語」があります。

「お話しする」という形は、「話す」という動詞に、接頭語「お」と「する」を付けたものです。これは、自分の行為をへりくだって表現することで、相手への敬意を示す「謙譲語Ⅰ」の形です。「お~する」は、その行為が向かう先の相手を立てる働きがあります。例えば、「先生にお話しする」というように使います。したがって、「先程お電話でお話しした」という表現は、電話の相手(つまり、これからメールを送る相手)を立てる、正しい謙譲語表現と言えます。

一方で、相手の行為について述べる場合は、尊敬語を使います。例えば、「先程、部長がお話しになった通り」や「先程、〇〇様がおっしゃった通り」という形になります。自分が話したのか、相手が話したのかによって、使うべき敬語の種類が全く異なるため、注意が必要です。

結論として、「先程お電話でお話しした通り」は、自分が話した内容について、相手への敬意を払いながら述べる、正しい謙譲語表現であり、目上の人に使っても何ら問題はありません。

より丁寧な印象を与えるためのクッション言葉

「先程お電話でお話しした通り」が文法的に正しい敬語であっても、このフレーズだけでメールを始めると、少し直接的で、事務的な印象を与えてしまう可能性があります。特に、電話を切ってから時間が経っていない場合や、相手に何かをお願いする内容のメールでは、より丁寧で柔らかい印象を与えるための工夫が効果的です。その工夫こそが「クッション言葉」の活用です。

クッション言葉とは、本題に入る前に添えることで、文章全体の印象を和らげ、相手への配慮を示す言葉のことです。これを文頭に置くだけで、メールの受け取られ方は大きく変わります。

例えば、電話で時間を取ってもらったことへの感謝を示すクッション言葉があります。
「先程はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。」
この一言を添えてから、「さて、お電話でお話しした通り…」と続けることで、相手への感謝と敬意が伝わり、非常に丁寧な印象になります。

また、何度も連絡することへの気遣いを示すクッション言葉も有効です。
「度々のご連絡、失礼いたします。」
これを冒頭に置くことで、相手の時間を尊重している謙虚な姿勢を示すことができます。

これらのクッション言葉は、いわばコミュニケーションの潤滑油です。「先程お電話でお話しした通り」という本題の前に、「先程はありがとうございました」や「度々失礼いたします」といった一言を添える習慣をつけるだけで、あなたのメールは、単なる事務連絡から、相手への配慮に満ちた温かいコミュニケーションへと変わるのです。

上司や取引先に送る際の注意点

上司や重要な取引先など、特に敬意を払うべき相手にこのフレーズを使う際には、いくつかの注意点があります。これらを意識することで、あなたの評価をさらに高めることができます。

第一の注意点は、内容の正確性を期すことです。これは基本中の基本ですが、相手が目上であればあるほど、その重要性は増します。電話での会話内容を万が一にも間違って記載してしまうと、「この人は話を聞いていない」「仕事が雑だ」という致命的な評価に繋がりかねません。電話中にメモを取ることはもちろん、メールを送る前に、そのメモを再度見直し、内容に間違いがないか、数字や固有名詞は正確かを、細心の注意を払って確認しましょう。

第二の注意点は、迅速さです。電話で話した内容は、時間が経てば経つほど、お互いの記憶が薄れていきます。記憶が鮮明なうちにメールを送ることが、認識のズレを防ぐ上で最も効果的です。理想を言えば、電話を切ってから30分以内、遅くとも1時間以内にはメールを送るべきです。この迅速な対応は、「この人は仕事が速く、レスポンスが良い」というポジティブな印象を与え、相手からの信頼を獲得することに繋がります。

第三の注意点は、相手の言葉を引用する際の敬語表現です。もし、相手が話した内容に言及する場合は、「先程お電話で、〇〇様がおっしゃいました通り」や「先程、部長がご指摘くださった通り」のように、尊敬語を正しく使う必要があります。自分の発言と相手の発言を混同し、敬語を誤って使わないように、誰が話した内容なのかを明確に意識することが大切です。これらの細やかな配慮が、あなたのビジネスパーソンとしての成熟度を示す指標となるのです。

【NG例】信頼を失う「先程お電話で」の間違った使い方10選

「先程お電話でお話しした通り」は、正しく使えば信頼を築く強力なツールですが、その使い方を一つ間違えるだけで、かえって相手の不信感を招き、関係を悪化させる原因にもなり得ます。便利さの裏に潜むリスクを理解し、避けるべき使い方を知っておくことは、このフレーズを真に使いこなすために不可欠です。ここでは、ビジネスシーンで陥りがちな、信頼を失う「ダメな使い方」を具体的なNG文例として10個挙げ、なぜそれが問題なのかを詳しく解説します。

話した内容と違うことを書く

これは最も致命的で、言い訳のしようがないミスです。相手からの信頼を根底から覆す行為と言えます。

NG文例1:「先程お電話でお話しした通り、御見積金額は110万円となります。」(電話では「100万円」と伝えていた)
解説:相手は「話が違うじゃないか」「騙そうとしているのか?」と強い不信感を抱きます。単なる記憶違いやタイプミスであったとしても、一度このようなことがあると、その後のあなたの発言や提示する書類すべてが疑いの目で見られるようになります。電話の内容は正確にメモし、メール送信前に必ず再確認する癖をつけましょう。

NG文例2:「先程お電話でお話しした通り、納期は来週末で問題ございません。」(電話では「納期については、持ち帰って検討します」と伝えていた)
解説:電話で合意していないことを、あたかも合意したかのように書くのは、相手を無視した一方的な行為です。相手に「勝手に話を進める人だ」という悪印象を与え、交渉の決裂にも繋がりかねません。合意事項と検討事項は、明確に区別して記載する必要があります。

電話で話していない内容を付け加える

このフレーズは、あくまで「電話で話した内容」を前提とするものです。そこに新しい情報を紛れ込ませるのは、フェアなやり方ではありません。

NG文例3:「先程お電話でお話しした通り、A製品をご注文いただきありがとうございます。なお、B製品もセットでご購入いただくとお得になります。
解説:これは「どさくさに紛れてアップセルを狙っている」と受け取られかねません。電話での合意内容の確認という本来の目的から逸脱しており、相手に不快感を与える可能性があります。追加の提案をしたい場合は、「先程お電話で…」のくだりとは明確に段落を分けるなどし、「追伸」や「ちなみに」といった形で、あくまで補足情報として切り出すべきです。

相手に責任を押し付けるような言い方

このフレーズを、自分の主張の正当化や、相手への責任転嫁の道具として使うのは、関係を破壊する最悪の使い方です。

NG文例4:「先程お電話でお話しした通り、そちらのご指示で進めましたが、問題が発生しました。」
解説:これは、「あなたの指示通りにやった結果、失敗しました。だから私に責任はありません」と言っているのと同じです。たとえ相手の指示に問題があったとしても、このような言い方では相手を責めているようにしか聞こえません。問題解決に向けた建設的な態度とは言えず、相手を頑なにするだけです。

NG文例5:何度も言いますが、先程お電話でお話しした通り、そのやり方ではうまくいきません。」
解説:「何度も言いますが」という前置きは、相手が話を理解していない、あるいは聞いていないと非難しているのと同じです。相手を見下した、非常に攻撃的な表現であり、相手の感情を逆撫でするだけです。敬意を欠いたコミュニケーションは、いかなるビジネスシーンでも許されません。

その他の不適切な使い方

上記以外にも、状況や相手への配慮を欠いた、いくつかの不適切な使い方があります。

NG文例6:(電話から1週間後にメールで)「先程お電話でお話しした通り…」
解説:「先程」とは、時間的にごく近い過去を指す言葉です。1週間も経ってから「先程」と言うのは、時間感覚がずれているか、非常にルーズな人だという印象を与えます。この場合は、「先日はお電話にて失礼いたしました。〇月〇日にお話しさせていただいた件ですが…」と、いつの電話なのかを明確にすべきです。

NG文例7:「先程お電話でお話しした通り、例の件、よろしくです。」
解説:「例の件」や「よろしくです」といった、あまりに曖昧で砕けすぎた表現は、ビジネスメールには不向きです。何について話したのかを具体的に記載し、最後まで丁寧な言葉遣いを心がけるのが社会人としてのマナーです。

NG文例8:(相手が明らかに電話の内容を覚えていないのに)「ですから、先程お電話でお話しした通りです!」
解説:相手が覚えていないことを前提とせず、自分の記憶だけを頼りに話を押し通そうとするのは、不親切です。相手が戸惑っている様子なら、「失礼いたしました。改めてご説明しますと…」と、もう一度丁寧に説明し直す配慮が必要です。

NG文例9:(電話で自分が一方的に話しただけなのに)「先程お電話でお話しした通り、ご了承いただけたものと理解しております。」
解説:相手からの明確な合意の言葉がないにもかかわらず、一方的に「ご了承いただけた」と解釈するのは非常に危険です。これは「押し付け」であり、後で「聞いていない」「合意していない」と反論される原因になります。

NG文例10:「先程お電話でお話しした通り。(本文は添付ファイル参照)」
解説:メール本文に具体的な内容を一切書かず、添付ファイルに丸投げするのは、相手に不親切です。どのような内容のファイルなのか、何を確認してほしいのか、メール本文で簡潔に要約を記載するのがマナーです。

【メール編】コピーして使える「先程お電話でお話しした通り」の例文集

理論を学んだ後は、実践あるのみです。ここでは、日常のビジネスシーンで頻繁に遭遇する4つの具体的な状況を取り上げ、そのままコピー&ペーストして、すぐに使えるメールの完全な文例をご紹介します。件名から本文、署名に至るまで、プロフェッショナルなメールを作成するための要素が詰まっています。これらのテンプレートをあなたの「型」として活用し、日々の業務効率とコミュニケーションの質を向上させてください。

見積書を送付する際のフォローメール

電話で概算や条件を伝えた後、正式な見積書を送付する際のメールです。電話での内容を再確認しつつ、次のアクションを促すことが重要です。

件名:【株式会社△△】〇〇プロジェクトの御見積書送付の件

株式会社〇〇
営業部 山田 太郎 様

いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

先程はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。

さて、お電話でお話しした通り、「〇〇プロジェクト」に関する御見積書を
添付ファイルにてお送りいたします。

お電話で合意させていただきました通り、
今回は特別に、初期設定費用をサービスさせていただいた金額となっております。

内容をご確認いただき、ご不明な点やご要望などございましたら、
どうぞご遠慮なく、私、佐藤までお申し付けください。

それでは、前向きなご検討をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

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株式会社△△
営業部 佐藤 花子
(連絡先)
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アポイントの日程を確認するリマインドメール

電話で決定したアポイントメントの日時や場所を、前日などに改めて連絡(リマインド)するメールです。これにより、当日のすっぽかしを防ぎ、相手にも準備を促すことができます。

件名:【株式会社△△ 佐藤】明日のご訪問についてのご確認

株式会社〇〇
営業部 山田 太郎 様

いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

先程お電話でお話しした通り、明日のアポイントメントについて、
念のため、ご確認の連絡をさせていただきました。

下記の日時に、貴社へお伺いさせていただきます。

日時:8月9日(土)14:00~15:00
場所:貴社応接室
訪問者:佐藤 花子、鈴木 一郎(技術部)

当日は、お電話でお話しした新機能のデモンストレーションを
ご準備してお待ちしております。

それでは明日、お会いできますことを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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株式会社△△
営業部 佐藤 花子
(連絡先)
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電話での依頼内容を要約し、確認するメール

相手から電話で受けた依頼内容を自分の言葉で要約し、認識にズレがないかを確認するためのメールです。これにより、作業の手戻りを防ぎます。

件名:【ご確認】〇〇の修正依頼について(株式会社△△ 佐藤)

株式会社〇〇
山田 太郎 様

お世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

先程はお電話にてご指示をいただき、ありがとうございました。

お電話でお話しした内容に基づき、当方で承りました修正依頼を
下記にまとめさせていただきました。

・対象ページ:サービス案内ページ(service.html)
・修正内容1:料金表の価格を、新価格に変更。
・修正内容2:お客様の声に、A社の事例を追加。
・納期:8月11日(月)17:00まで

上記の認識でお間違いございませんでしょうか。
もし相違点や追加のご要望がございましたら、本日の18時までにご連絡いただけますと幸いです。

ご連絡がない場合は、上記内容にて作業を進めさせていただきます。
取り急ぎ、ご確認まで。

---
株式会社△△
営業部 佐藤 花子
(連絡先)
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不在だった相手への伝言を残すメール

電話をかけたが相手が不在で、同僚の方などに伝言を頼んだ後、念のために本人にもメールで内容を伝えておく、という丁寧な対応です。

件名:お電話を差し上げました(株式会社△△ 佐藤)

株式会社〇〇
営業部 山田 太郎 様

お世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

本日15時頃、〇〇の件でご連絡を差し上げたのですが、
ご不在とのことでしたので、メールにて失礼いたします。

同僚の鈴木様へ、先程お電話でお話しした通り、
明日の会議で必要となる資料を、本日中にお送りいただきたく、
ご連絡をさせていただきました。

お忙しいところ大変恐縮ですが、お手すきの際に
ご対応いただけますと幸いです。

また、お手すきの際に一度、お電話をいただけますでしょうか。

取り急ぎ、ご伝言とご確認まで。
よろしくお願い申し上げます。

---
株式会社△△
営業部 佐藤 花子
(連絡先)
---

「先程お電話でお話しした通り」の言い換え・類語表現集

「先程お電話でお話しした通り」は非常に便利なフレーズですが、毎回同じ表現では、やや機械的で工夫がない印象を与えてしまうかもしれません。状況や相手、伝えたいニュアンスに応じて、多彩な言葉を使い分けることができれば、あなたのコミュニケーションはより洗練され、深みを増します。ここでは、「先程お電話でお話しした通り」と同様の場面で使える、様々な言い換え表現や類語を、それぞれの特徴とともに詳しく解説します。

「先程お電話にて申し上げました通り」との違い

「申し上げました」は、「言いました」の謙譲語です。「お話しした」が会話の双方向性を感じさせるのに対し、「申し上げた」は、こちらから一方的に伝えた、というニュアンスがやや強くなります。

ニュアンス:「お話しした」よりも、さらにへりくだった、改まった表現です。特に、こちらから何かを報告したり、説明したりした内容について言及する際に適しています。例えば、電話で謝罪の言葉を述べた後、メールでも改めて「先程お電話にてお詫び申し上げました通り…」と書くと、非常に丁寧な印象になります。相手との会話内容というよりは、自分の発言内容を指す場合に、よりしっくりくる表現です。

「先程の件ですが」の使いやすさと注意点

「先程の件ですが」は、非常にシンプルで使いやすい切り出し方です。しかし、その手軽さゆえの注意点も存在します。

ニュアンス:「先程お電話で…」よりも、ややカジュアルで、本題にすぐ入りたい時に便利な表現です。社内の同僚や、気心の知れた取引先との短いやり取りなどでは、この方がテンポが良い場合もあります。

注意点:「何の件か」が、文脈上、お互いに完全に明確である場合にしか使えません。電話で複数のトピックについて話した場合や、電話から時間が経ってしまった場合に使うと、相手は「どの件のことだろう?」と混乱してしまいます。また、敬意の度合いは「先程お電話で…」よりも下がるため、非常に重要な取引先や、目上の方への最初のメールでは、より丁寧な表現を選ぶ方が無難です。

「お電話でのご案内の通り」の柔らかい表現

「ご案内」という言葉を使うことで、より柔らかく、サービス業のような丁寧な響きを持たせることができます。

ニュアンス:「説明」や「話」といった言葉よりも、相手を導き、情報を提供するという、奉仕的なニュアンスが強まります。カスタマーサポートが顧客に操作方法を説明した後や、ホテルの予約担当者が宿泊プランについて説明した後など、相手に何かを提供する立場で使うと、非常にしっくりきます。「お電話でのご説明の通り」も同様の使い方ができます。

その他の言い換え表現一覧と比較

上記以外にも、文脈に応じて様々な言い換えが可能です。それぞれの言葉が持つ微妙なニュアンスを理解し、状況に応じて最適なものを選択できるよう、一覧表にまとめました。

表現 ニュアンスと特徴 主な使用シーン
お電話でご確認させていただきました通り 「確認した」という行為を明確にする表現。こちらから質問し、相手に答えてもらった内容について言及する際に使う。 「お電話でご確認させていただきました通り、ご住所は〇〇でよろしいでしょうか。」など。
お電話でご依頼のありました件 相手から「依頼された」という事実を主軸に置いた表現。依頼された資料を送付したり、作業の進捗を報告したりする際に使う。 「お電話でご依頼のありました〇〇の件、完了いたしましたのでご報告します。」など。
お電話で合意いたしました通り 単に話しただけでなく、「双方の意思が一致した」という合意形成の事実を強調する、非常に強い表現。 契約条件、価格、納期など、後で覆されると困る、重要な決定事項について記載する際に使う。
先だってお電話にて失礼いたしましたが 電話から少し時間が経ってしまった場合や、改めて丁寧な前置きをしたい場合に使う、非常に改まった表現。 数日前に電話で話した内容について、改めて文書で送る場合など。

これらの多彩な表現をストックしておくことで、あなたのビジネスメールは、より状況に即した、深みのあるものへと進化していくでしょう。

【英語編】「先程お電話でお話しした通り」を伝えるビジネス英語フレーズ

グローバル化が進む現代のビジネス環境では、英語で電話のフォローアップメールを送る機会も少なくありません。日本語の「先程お電話でお話しした通り」という便利なフレーズが持つ、「確認」と「記録」のニュアンスを、英語ではどのように表現すれば良いのでしょうか。ここでは、ネイティブスピーカーがビジネスシーンで実際に使う、自然でプロフェッショナルな英語表現を、フォーマル度の違いとともにご紹介します。

"As we discussed on the phone" の一般的な使い方

これは、「先程お電話でお話しした通り」に最も近い、標準的で非常に一般的な表現です。"discuss" は「議論する、話し合う」という意味で、双方向のコミュニケーションがあったことを示します。

使い方:社内外を問わず、あらゆるビジネスシーンで幅広く使えます。メールの冒頭でこのフレーズを使うことで、すぐに本題に入ることができ、相手にもメールの意図が明確に伝わります。

使用例:
"As we discussed on the phone, I'm sending you the draft of the contract."
(お電話でお話しした通り、契約書の草案をお送りします。)

"As we discussed earlier on the phone, the meeting will be held at 3 PM tomorrow."
(先程お電話でお話しした通り、会議は明日の午後3時に開催されます。)

"Further to our telephone conversation" のフォーマルな表現

これは、"As we discussed..." よりも、さらにフォーマルで、やや硬い印象を与える表現です。"Further to..." は「~に引き続いて」「~に加えて」という意味で、公式なビジネス文書や、格式を重んじる相手へのメールで好んで使われます。

使い方:特に、法務関係の文書や、重要な契約に関するやり取り、あるいは初めて連絡する相手へのフォローアップなど、丁寧さが求められる場面で効果的です。「私たちの電話での会話に引き続いて、以下の通りご連絡します」という、改まったニュアンスを伝えることができます。

使用例:
"Further to our telephone conversation this morning, I would like to confirm the details of your order."
(今朝のお電話に引き続き、ご注文の詳細を確認させていただきたく存じます。)

"Following up on our call" のカジュアルな使い方

"Following up on..." は「~の件で、追って連絡しています」という意味で、比較的カジュアルで、現代的な響きを持つ表現です。特に、迅速なやり取りが求められるIT業界や、スタートアップ企業などでよく使われます。

使い方:電話の直後に、手早く要点や資料を送りたい場合に便利です。「電話の件、フォローアップです」といった軽快なテンポで、本題に入ることができます。親しい同僚や、日常的にやり取りのある取引先に対して使うのに適しています。

使用例:
"Hi John, following up on our call, here is the link to the website we talked about."
(ジョンへ、電話の件のフォローアップです。話していたウェブサイトのリンクはこちらです。)

英語メールで電話内容をフォローアップする際の注意点

英語でフォローアップメールを送る際には、日本のビジネス文化とは異なるいくつかの点に注意すると、よりスムーズなコミュニケーションが可能です。

第一に、結論を先に書く(Conclusion First)ことです。日本のメールが時候の挨拶から入ることが多いのに対し、英語のビジネスメールでは、まずメールの目的を最初に明確に述べることが好まれます。"As we discussed..." と切り出した後、すぐに最も重要な要件(例:見積書の送付、日程の確認など)を記載しましょう。

第二に、箇条書き(Bullet Points)の活用です。電話で話した複数の項目を確認する場合、長々と文章で書くよりも、箇条書きを使って要点を整理した方が、相手にとって格段に分かりやすくなります。これは、情報を明確かつ簡潔に伝えることを重視する、英語圏のコミュニケーション文化を反映しています。

第三に、明確なアクションの要求(Call to Action)です。メールの最後に、相手に何をしてほしいのかを具体的に記載することが重要です。「Please review the attached file and let me know your feedback.(添付ファイルをご確認の上、フィードバックをお知らせください)」や「Please confirm if the date is suitable for you.(その日程でご都合がよいか、ご確認ください)」といった一文で締めくくることで、相手が次に行うべき行動が明確になり、ビジネスが停滞するのを防ぎます。

まとめ:「先程お電話で」を制する者は、ビジネスを制する

この記事では、「先程お電話でお話しした通り」という、日常的に使われるフレーズを深掘りし、その背景にあるビジネスコミュニケーションの本質に迫りました。この一文は、単なる定型句ではありません。それは、揮発性の高い口頭でのコミュニケーションを、確実な記録へと昇華させ、未来のトラブルを防ぎ、相手との信頼関係を築くための、極めて戦略的なツールなのです。

私たちは、このフレーズが持つ「確認」と「記録」という二重の役割を理解し、その敬語としての正しさと、目上の人へより丁寧に伝えるためのクッション言葉の重要性を学びました。また、30もの具体的な文例を通じて、あらゆるビジネスシーンでの応用方法を身につけ、逆に、信頼を失う10のNG例から、そのリスク管理の方法も学びました。

ビジネスにおけるコミュニケーションの目的は、単に情報を伝えることではありません。その目的は、「相手と共通の認識を形成し、協働して成果を出すこと」にあります。「先程お電話でお話しした通り」というフレーズは、まさにその目的を達成するための、最もシンプルかつ効果的な手段の一つです。電話で熱く議論を交わし、方向性を定めた後、その熱量を冷まさぬうちに、合意事項をテキストという冷静な形で共有する。この一連の流れが、ビジネスを前進させる確かな原動力となります。

「電話は、心を繋ぐ。メールは、事実を繋ぐ。」と言えるかもしれません。この二つのコミュニケーション手段の長所を最大限に活かし、それらを繋ぐ架け橋となるのが、「先程お電話でお話しした通り」という言葉なのです。この架け橋を、いかに迅速に、いかに正確に、そしていかに丁寧にかけることができるか。そのスキルが、あなたのビジネスパーソンとしての価値を大きく左右します。今日から、あなたの電話後のフォローアップメールを、意識的に変えてみてください。その小さな習慣の積み重ねが、やがて大きな信頼と成果となって、あなたのもとに返ってくることをお約束します。